大阪大学 1997年度 世界史過去問

世界史

Ⅰ 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

 近代以前の世界には、近代的な主権国家どうしの関係とはちがったさまざまな国際関係が存在していた。アジアの場合、他民族・(1)多宗教からなる帝国がしばしば成立し、そこでは「内部」と「外部」にまたがっていろいろな強さや形態の支配がおこなわれていた。これに対し、(2)大帝国の周辺民族の側だけでなく漢民族のような大帝国の中心民族でも、外部の強者に対抗して単一の民族や宗教を絶対視する意識が強まることがあった。

問一
 傍線部(1)の例として、イスラム教徒が支配するムガル帝国では、どのような宗教政策が帝国の繁栄と衰退につながったかを九〇字以内で説明しなさい。

問二
 傍線部(2)の例として、イスラム世界ではペルシア(イラン)人の民族・宗教意識が目立つ。それが政治的に発揮されたケースをひとつあげ、いつごろだれに対抗してどのような行動をとったかを四〇字以内で説明しなさい。

問三
 中国はどのようなシステムで周辺の諸民族・国家を支配し、または外交関係をむすんで帝国を維持しようとしたか。唐から宋にかけての時代と清代を中心に三〇〇字程度で述べなさい。

Ⅱ 次の問いに答えなさい。

問一

(a)
 一一世紀頃になり、農業生産力が高まって、人口が増大すると、西ヨーロッパ世界は外に向かって拡大し始めた。十字軍はこのような拡大運動の一つの例であるが、他の例としてはどのようなものが考えられるか。二つの例をあげなさい。

(b)
 十字軍が西欧の社会構造に及ぼした影響について一二〇字程度で述べなさい。

問二
 ナポレオン戦争以後、一九世紀前半のイギリスでは、民衆の政治運動が活発化し、議会外の運動は史上最大の規模に達した。中産階級を中心とする多くの運動は、自由主義的な諸改革を実現し、他方、労働者階級も独自の運動を起こした。これらの運動や改革について、オコンネル、人民憲章、コブデンの三語を必ず用いて、三〇〇字程度で述べなさい。

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