2020年度担当する世界史二次演習の講座をできるだけテキスト化して掲載していきます。
東京・京都・一橋・筑波大学の過去問をもとに世界史の知識の確認と文章力・思考力を高めることを目的としています。
拙い説明もあるかと思いますが、よろしくお願いします。
世界史論述対策 第0回 【論述の心構え】
今回は、ガイダンスとして論述問題を必要とする受験生に向けてのメッセージです。何か劇的に成績が伸びるようなメソッドを説いているわけではありません。というよりそんなメソッドがあるなら教えてもらいたいくらいです。そういうお話をいたします。
問題を解くにあたって
論述形式の問題に限らず、また世界史に限らず、解答は問いに対して”素直”でなければいけません。そのため、問われている内容をまずきちんと読み取ることが重要になります。
世界史の場合、問われている年代・地域を正確に把握し、その範囲を超えることなく、解答を作っていかなければなりません。何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、論述になると自分の知っている知識を詰め込みたいあまり、題意に沿わない解答となることも多いのです。とかく指定された文字数の多さに翻弄され、形式をおろそかにしてしまうことも多いです。
論述の形式
では、「世界史論述における形式とは何か」と聞かれれば、問いに対する正確な答えと僕は答えます。問題文の、「〜の変遷を説明せよ。」や「〜の背景を説明せよ。」の部分ですね。変遷とあれば当然時系列に沿って書く必要がありますし、背景とあればその事象が起こった時代の理由を書かねばなりません。これが、受験本番で出来なければなりません。
こと難関国公立の二次試験では、教科書内容を大幅に逸脱した知識はほぼ必要ありません。おおよそ一次試験で80〜90%の得点率を取れる受験生がくるわけですから、いまさらそこでは大きな差はつかないのです。
逆に言えば、一次試験で8割以上は取れるだけの知識を身につけておく必要はあります。教科書内容の知識に不安のある人もいるでしょうが、問題演習を積む中で身につけていってください。
教科書・資料集を何度も見返すことは、一次・二次問わず必須の勉強法です。
合否を左右する力
では、何が合格不合格を左右するかというと、思考力・表現力になってきます。持てる知識の中で考え、人に説明する力です。これは一朝一夕には身につきません。じっくりと腰を据えて取り組みましょう。
それを伸ばすには当然ですが、自分で書いてみる。模範解答を眺めているだけで書けるようにはなりません。模範解答はあくまで模範。自分の解答と見比べて、ようやくその役目を為すのです。
内容をわかっているつもりでも、いざ答案を書いてみると書けない人が多い。これはひとえに演習不足です。最初は支離滅裂な日本語を書いていても構いません。教科書を見ながら、資料集を見ながらでも構いませんから、書いてみましょう。
良い解答を目指して
最終的に皆さんは志望校の合格を勝ち取ってもらわなければなりません。そのためには他人に伝わる解答を、自分の力だけで書けるようにならなければなりません。
是非自分の解答を読み返してみてください。思っている以上に書けていませんよ。また友達や先生に読んでみてもらってください。きちんと伝わっているか見てもらう作業はとても重要です。
同じ問題を何度解いても構いませんから、トライアンドエラーを繰り返す。これが合格できる力を身につける最短ルートだと思います。



