次のグラフは、西欧・旧ソ連。日本・中国・アメリカ合衆国における経済規模(GDP)を、超長期的な傾向を把握するために、過去にさかのぼって推計したものを表している。以下の問い(Ⅰ)・(Ⅱ)にそれぞれ答えなさい。
Ⅰ A・Bは西暦1000年前後にいずれもグラフの傾きに変化がみられる。この時期における、世界各地の経済や制度に関する以下の問い(問1~問2)にそれぞれ答えなさい。
問1
この時期のAにおいて経済規模の拡大の背景となった社会経済の動態について説明しなさい。解答には次の用語をすべて用いること(100字程度)。
商業 都市 貨幣経済 農業開発
問2
10世紀から12世紀にかけて、ユーラシア各地では、土地や農民の支配・経営に関して新たな状況が生まれていた。グラフに示されているBと日本、さらには同時期の西アジアでは、どのような勢力により、どのような土地や農民の支配・経営が展開したか述べなさい。解答には次の用語をすべて用いること(150字程度)。
軍人 イクター制 荘園 農奴
Ⅱ 前掲のグラフでは、18世紀も同様に、各地における経済規模拡大の趨勢にひとつの画期がみられる。この時期およびそれ以降における、各地の政治・社会・経済的変動に関する以下の問い(問1~問3)にそれぞれ答えなさい。
問1
Bが急激な経済発展を示した18世紀以降、Bとの対抗のなかで、「イスラーム世界」では、既存の体制や思想を変革する動きが見られた。そのひとつが18世紀中頃にアラビア半島で生まれたワッハーブ運動である。これは19世紀以降に広がるイスラーム改革運動の原点となり、20世紀に東南アジアにまで影響を及ぼした。
ワッハーブ運動は、どのような変革をめざした運動であったのか、そして、この運動が18~20世紀の間にアラビア半島にどのような国家をつくりあげたのかを説明しなさい。解答には次の用語をすべて用いること(150字程度)。
クルアーン ムハンマド サウード家
問2
次に抜粋した歴史的文書は、18世紀後半に経済発展と政治変動を経験した、グラフ中の一地域で書かれたものである。これを読み、以下の問い(1、2)に答えなさい。
私たちは以下の真理を自明のことと考える。すなわち、すべての人間は平等につくられ、譲ることのできない諸権利を神から与えられている。そのなかには、生命、自由、幸福の追求の権利がある。そしてこれらの権利を確保するために、人々の間に政府がつくられ、その公正な権力は被治者の合意によるものとする。また、どのような政府であれ、こうした目的を損なうものとなった場合には、その政府を改め、あるいは廃止して、新しい政府を樹立し、人々の安寧と幸福をもっともよく実現できる原理をその政府の基礎とし、そのように権力を組織しなおすことは、人民の権利である。
1.
上の文書の名称を答えなさい。
2.
この文書はどのような歴史的経緯の中から生まれてきたものであったか、また19世紀にいたるその後の世界の歴史に、どのような影響を与えたと考えられるか述べなさい。解答には次の用語をすべて用いること(250字程度)。
七年戦争 啓蒙思想 重商主義 革命
問3
Aは一時的停滞ののち、18世紀に経済規模を大きく拡大させている。それらの背景となる政治・社会・経済的動態について説明しなさい。解答には次の用語をすべて用いること(150字程度)。
人口 トウモロコシ 移住 開発