筑波大学 1999年度 世界史過去問

世界史

 次のⅠ~Ⅳの各問について、400字以内で解答せよ。


 アケメネス朝ペルシアの興亡を次の語句を用いて説明しなさい。

キュロス2世        ダレイオス(ダリウス)1世
ペルシア戦争        前330年


 中国史上に現れた以下の軍制の性格について、時代の古い順に説明しなさい。 

淮軍     猛安・謀克制     府兵制
八旗     衛所制


 8世紀から16世紀にかけてのイラン高原におけるイスラム勢力の浸透について、以下の語句を用いて説明しなさい。

イスファハン     シーア派     ガザン=ハン
タラス河畔の戦い   サファヴィー


 下記のテキス卜A・Bは、シェイエス著『第三階級とは何か』と、フィヒテ著『ドイツ国民に告ぐ』からの抜粋であるが、フランスとドイツにおけるナショナリズムのちがいをよく示している。

1.第三階級とは何か……総べて
2.今日までその政治的地位は如何なるものであったか……零
3.それは何を求めたか……そこで相当なものになること
 ここでは次のことを知って貰えばよい。つまり、公務には特権階級が有用であると主張しても、それは妄想に過ぎないということ、特権階級が居なくとも公務の中の骨の折れる仕事はすべて第三階級によってやってのけられるということ、何も特権階級でなくても高い地位に就けば遥かにうまくやってのけるということ……。
…………………………
 貴族階級は、その私法上及び公務上の特権によって、我々の中にある異邦人にほかならない。
 国民とは何か、共通の法律の下に生活し、同じ立法機関によって代表される共同生活体である。…………………………
 故に第三階級は国民に属するすべてのものを包含するものであり、第三階級でないものはすべて国民だとは見倣されない。第三階級とは何か―すべてである。
(大岩誠訳、岩波文庫)

 従来多数の人の心の中にはただ肉・物質・自然のみが生きていた。新しき教育は、多数の者、いな能うべくんばすべての者の中に、精神のみが生きて彼らを動かすようにしようするのである。余がさきによく整いたる国家の唯一の基礎と呼べる堅実なる精神を、一般の人心の中に生み出そうとするのである。
 かくの如き教育によれば、吾人が劈頭に前提したる目的、吾人の講演の出発点たる目的が、疑いもなく達成せられる。かくして生み出されるべき精神は、高尚なる祖国愛、即ち、自己の現世の生命を永遠なるものとし、祖国の生命をこの永遠性を荷なうものとする把握を直接自己の中に導き入れる。そしてこの精神がドイツ人の間にうち建てられる場合は、ドイツ人の祖国に対する愛を自己の必然なる構成部分として直接に自己の中に導き入れるのである。そしてこの愛から、勇敢なる護国者、及び穏和なる遵法の公民が自然の結果として生ずるのである。…
(大津康訳、岩波文庫)

 まず、これらの著作が書かれた歴史的背景を説明したのちに、テキストA・Bに表明されている、フランスとドイツのナショナリズムの特徴について、以下の語句を用いて説明しなさい。

階級闘争     革命     国家主義     三部会
ティルジット条約 ナポレオン  民主主義     民族の精神

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