大阪大学 2011年度 世界史過去問

世界史


 右ページのグラフは、ブラジルの輸出向け一次産品である綿花とコーヒーの輸出額の変遷を示したものである。そうした一次産品の輸出動向は、国内的な要因だけでなく、国際情勢にも大きな影響を受けることが多かった。グラフ中の①および②についてつぎの問いに答えなさい。

問1
 ①の輸出額の増加の背景には、アメリカ大陸の綿花生産の中心であった地域でおこった大規模な紛争があった。その紛争の原因となった経済的な利害対立について、次の用語を必ず用いて述べなさい(100字程度)。

奴隷制、保護貿易、資本主義

問2
 ②の輸出額の減少の原因となった北米に端を発する出来事は、欧米諸国の政治・外交にどのような影響を与えたか。次の用語を必ず用いて述べなさい(200字程度)。

善隣外交、ブロック経済、全体主義


 中華帝国には、それを支えた一連の「仕組み」があった。そのうちいくつかは、秦漢時代に採用されたり創始され、20世紀初頭に清朝が滅亡するまで存続した。そのような仕組みについて、中央が地方を支配する制度、対外関係の原則、正統とされた思想、歴史書の形式の4つの側面から説明しなさい。なお秦漢時代の間に変化があった場合にはそれにもふれること。また解答には以下の用語を必ず使用しなさい(250字程度)。

封建制、郡県制、委(倭)奴国王、儒家、司馬遷


 平成22年度の大阪大学入学試験・世界史問題では、現代世界で広く使用されている5系統の文字の起源と伝播を問うた。その際、ロシア語で使用されるアルファベットを例示するためにレーニンの肖像付きのポスターを掲げたところ、その肖像をムスタファ=ケマル(ケマル=パシャ)と誤解した受験生が散見された。ムスタファ=ケマルは文字改革を断行したことで知られるが、ある言語を支配するために用いられる文字が根本的に変更されたり、あるいは異なる言語を表記するために応用されるという例は、世界史上に多々認められる。

問1
 ムスタファ=ケマルの出身母体である民族の本来の故郷と生業、そこからの民族大移動の流れを踏まえて、彼による文字改革以前の文字の名称とそれを使用するようになった歴史的経緯を、その文字の背景にある宗教を受容した時期にも注意しながら、大まかに述べなさい。その際、次の用語をすべて使用し、さらに彼の生まれた時代の王朝名と、彼による文字改革以前と以後の文字にまで言及しなさい(200字程度)。

モンゴル高原、カラ=ハン朝、セルジューク朝、バグダード

問2
 被支配民族の宗教や慣習に寛容であったアケメネス朝ペルシアでは、さまざまな言語と文字が使用された。主要な言語・文字の使用状況について、次の用語をすべて使用して簡潔に述べなさい。ただしその際、どの言語がどの文字で表記されたかに留意すること(80字程度)。

古代ペルシア語、楔形文字、共通語

問3
 ロシア語などで使用されるアルファベットはキリル文字とも呼ばれる。キリル文字はスラヴ語を表記するために考案されたが、キリル文字普及の宗教的背景について、次の用語をすべて使用して述べなさい(100字程度)。

ビザンツ皇帝、ギリシア正教、ブルガール(ブルガリア)人、バルカン半島

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