令和の時代を迎えても、未だに旧態依然とした教育業界。
スマホやSNSの刺激に慣れた生徒たちにはタブレットやパワーポイントを使う方が自然なのかもしれません。
全国的にもアクティブ・ラーニングやICT利活用が叫ばれる中、何から手をつければいいのか悩んでいる先生方も多いでしょう。
僕もICTの活用というと大層な感じがして身構えてしまっていたタイプでしたが、簡単なところからICT化を進めました。
今回は手軽なICT利活用方法をご紹介します。
・iPadなどのタブレット
今回はタブレットが手元にある前提で話を進めます。
僕はiPadを使っているので、iPadを使うという設定です。アンドロイドタブやWindowsタブでも同じようなことは可能なはずです。
スマホでも同じようなことはできますが、画面の小ささがネックになるので勧めません。
授業のICT化を進める方法

授業のICT化を進める方法は「ペーパーレス化」です。
これを意識すれば、何も難しいことはありません。
ペーパーレス化を意識する
ICT化の第一歩というより全てはペーパーレス化です。
学校現場はほぼ全ての情報が紙媒体でやりとりされます。
軽く例を挙げると
- 授業用プリント
- 板書ノート
- 教科書や資料集
- 保護者向けの案内
などなど、学校ではまだまだ大量の紙が使われています。
ICT化を進めるということは、紙を使っていたことを紙を使わずにやろうということなんです。
かといって、いきなり全ての業務をペーパーレス化することは不可能ですし、周囲の協力や理解も必要です。
そのため、まずは自分の裁量の中でだけ、ICT化を進めていきましょう。
全校をあげてICT化を進める動きが起きているならば、その波にうまく乗りましょう。
教師が一人でコントロールできる部分といえば授業ですので、授業でいかにペーパーレス化をするか、見ていきましょう。
自分の持ち物から紙を減らす
まず第一にすべきは自分の持ち物から紙を無くしていくことです。
教師の授業での持ち物といえば、
- 教科書
- 問題集・資料集などの副教材
- 板書ノート・プリント
などになるでしょう。
この中で真っ先にペーパーレス化すべきものは、ズバリ
板書ノート・プリントです。
子どもたちは自分で板書を写したり、考えて書き込んだりするのに紙媒体が必要になるでしょう。
しかし、我々教師は別に紙である必要はないですよね。
カラーの画像や動画を駆使した参考資料を手元に置いてある方が便利ですよね。
まずはペーパーレス化のメリットから見ていきましょう。
ペーパーレス化のメリット

板書案やノートをデータ化しておくメリットはたくさん存在します。
ざっと挙げますと
- 字が統一されていて見やすい
- 見た目や紙自体の劣化・損傷がない
- 他の教員への共有がスムーズ
- 大量の情報を保存しておける
- カラーの図版や動画、音声まで保存できる
- 重複した内容や同じ形式なら複製が容易にできる
- 再利用可能な資産となる
などなど。いくらでも挙げられます。
中でも「大量の情報を保存しておける」「再利用可能な資産となる」ことが大きなメリットです。
ではどのように準備すればいいのか、見ていきましょう。
板書ノートのペーパーレス化
まずは板書ノートをペーパーレス化させましょう。
先生の板書案作りは、大きく二つのやり方に分けられると思います。
- ノートに手書きで書き込む
- Wordなどのワープロソフトで作る
この二択ですかね。
僕の職場だけかもしれませんが、ノート派が多数でWord派は少数の印象です。
僕も最初はノートに手書きでゴリゴリ作ってたんですが、今はWord派になりました。
まずはWordでのペーパーレス化の仕方からいきましょう。
Wordでのペーパーレス化
これはとても簡単で、Wordで作ったページをタブレットに入れるだけ。
簡単でしょ?
中には、Wordでせっかく板書案を作っているのにわざわざ紙に印刷してしまっている人もいます。
これはもったいない。
印刷にかかるコストだけじゃなくて、印刷の手間ももったいないですよね。
データで作ったならデータのまま、黒板に反映させていきましょう。
具体的にどうするかですが、iPadを例に見ていきます。
まずは、Wordで板書案を作ります。

こんな感じですね。
次に、これをタブレットに移します。
これは色々な方法があります。
Wordアプリに入れる方法

事前準備として、iPadにWordアプリをダウンロードしておいてください。
そしたら、次にiPadとPCをケーブルでつなぎ、iTunesを立ち上げます。
iTunesのiPadの画面に行き、①のファイル管理をクリック
アプリ一覧から②のWordを選択し、③の箇所に板書案ファイルをドラック&ドロップ
これだけでデータをiPadに導入できます。
あとはiPadのWordアプリを立ち上げて、さきほどのファイルを開くだけ
これならWiFi環境がなくてもiPadで自分のファイルを見ることができます。
ただしこれには一つデメリットが。
それは、iPadProの場合、WordをはじめWindowsOfficeアプリをフルで使用するには、Office365の契約が必要になるのです。
閲覧だけなら無契約でも可能なので、授業で見るだけならいいのですが、編集までしたいという場合は注意が必要です。
PDFビューワーに入れる方法
さきほどはWordファイルのままでしたが、こちらは一度PDF形式に変換してから入れるパターンです。
まずはWordファイルをPDF形式で保存します。

画像はMacでの作業なのでWindowsとは違いますが、「名前をつけて保存」からフォーマットでPDFを選択すればOK
あとは保存したPDFファイルを上のiTunesからiPadに移動するやり方でPDFビューワーアプリに移す。
これで、PDF形式でタブレットからファイルを見られるようになります。
PDFビューワーのおすすめは

adobeのリーダーです。
PDFの本家本元だけあってシンプルで使いやすいですよ。
こんな形でタブレットで板書案が見られるようになるなら、わざわざ紙媒体を用意する必要はないですよね。
手書きノートのペーパーレス化
さきほどはWordで板書案を作っている人向けでしたが、次は手書きノートの人向けです。
手書きノートで板書案を作る人のペーパーレス化はもっと方法がたくさんあるので、今回は代表的なものを2つ紹介します。
手書きノートをWordで打ち直す
作業量は一番多いですが、これが後々楽になってきますね。
自分の板書案をテキスト化し、保存しておくことは授業の資産化にもつながり、今後の仕事量を減らしてくれます。
手書きノートをスキャンする
どうしても手書きにこだわるという人は、手書きノートをスキャンしてPDFか画像ファイルとして保存します。
あとは上で紹介したやり方でタブレットにデータを入れれば、自分のノートがタブレットで見られます。
ただし、このやり方だとあまりペーパーレス化するメリットがありません。
でも、紙面を劣化なく保存できる、ノウハウを共有しやすいというメリットは残っていますよ。
最後に
授業のノートやプリントをタブレットで見られるようにすると教師の準備は格段に楽になります。
またICT化はこれだけではなく、もっとたくさんのやり方もありますし、できることが大きくなります。
また様々な資料をデータで持っておくと、活用の幅が広がります。
僕は、世界史の受験指導を担当していますので、テキスト化された大学入試問題を用意しています。ブログにも順次挙げていますので、活用してください。
こういったデータは何度でも利用できる資産になりますので、ぜひ作っていきましょう。
また、タブレットやプロジェクターを使った授業のやり方も別記事で紹介していきます。
まずは紙媒体からの脱却を目指しましょう。!