大阪大学 2008年度 世界史過去問

世界史

Ⅰ 次の文章を読んで以下の問いに答えなさい。

 近代以前の世界には、さまざまな思想にもとづく多くの「世界」観が存在した。イスラーム世界やキリスト教世界、中華世界の場合に見られるように、それは強い普遍性を主張することが多かった。これらの「世界」の周辺に位置した国家や民族は、その「世界」のなかに組み入れられる一方で、ときに自らの「世界」観を強く主張することもあった。現代でも多くの地域で、近代的な国際関係とこうした伝統的な「世界」観との重なり合いや対立が見られる。

問一
 傍線部の例として、清朝時代に、理藩院が統括する地域で起こった、イスラームに基づく「世界」観との衝突があげられる。その地域とはどこか、解答欄(イ)に記入しなさい。また理藩院が統括したその他の地域はいずれも、イスラームとは別のある宗教に対する信仰が支配的だった。その宗教の名前を解答欄(ロ)に記入しなさい。

問二
 イスラームでは、「世界」はイスラームの領域とイスラーム以外の領域とに区別される。イスラームの創始者ムハンマドの死後、オスマン帝国の滅亡に至るまで、イスラーム(宗派分裂後はスンナ派)における聖権と俗権を掌握する地位や制度はどのように変化していったか、述べなさい(一五〇字程度)。

問三
 近代以前の中国はどのような「世界」観をもち、諸外国とどのような外交関係を結ぶのが原則だったか、また清朝末期にそれはどのように変化したかについて、左の用語をすべて一回以上使用しながら説明しなさい(一五〇字程度)。

朝貢   冊封   アヘン戦争   不平等条約   日清戦争   宗主権

Ⅱ 「太陽の沈まぬ国」として十六世紀に全盛期を迎えたスペインは、無敵艦隊の敗北以降、ヨーロッパ国際政治のなかで衰退していく。十七世紀から十九世紀末までの衰退の経緯を述べなさい(二〇〇字程度)。

Ⅲ 現代の世界は、国境を越えて人・もの・カネ・情報が行きかうなかで世界の一体化が進み、地球的規模での相互依存社会が急速な勢いで姿をあらわしつつある。しかし、最近の歴史学の見方によれば、グローバル化と呼ばれるこのような現象は、程度や構造に差があるものの、現代にはじめて起こったわけではなく、世界史上いくつもの先例がある。グローバル化がどのように進んだかについて、(A)十五世紀末~十七世紀と(B)十九世紀~二十世紀初頭のどちらか一方の時期を選んで、左のことがらに留意しながら述べなさい(三〇〇字程度。解答の最初に(A)または(B)の記号を記入すること)。

・グローバル化を先導した主要な勢力と主要な進出先の変化。
・アジアの諸国家や交易ネットワークなど非ヨーロッパ世界の動き、それらとヨーロッパ勢力との関係。
・(Aの場合)グローバル化を先導した主要な商品・産物、(Bの場合)グローバル化を先導した技術や人の動き。

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