Ⅰ 紀元前一千年紀の遊牧騎馬民族の登場から近代ヨーロッパ勢力による世界制覇の時代まで、ユーラシア世界史は購買力豊かな南の農耕民族と武力に優れる北の遊牧騎馬民族との対立・協調関係の中で推移してきた。実際には強調の時代も長いのであるが、どうしても目立つのは対立の歴史である。ところで、その対立の象徴とも言うべき巨大な建造物がユーラシア東部に残っている。その歴史について知るところを述べるとともに、それが無用の長物であった時代とその理由についても言及しなさい(二〇〇字程度)。
Ⅱ 列強アジア進出と鉄道について、次の問いに答えなさい。
問一
次の文の空欄のうち、ア・イ・ウには国名を、aには都市名を、bには湾名を入れて、文を完成させなさい。
(ア)は、西アジアへ進出するために、一八九九年に(イ)から鉄道の敷設権を獲得して、(a)と(b)湾とを結ぼうとした。そして列強のうち、(ウ)がこの政策に反発した。
問二
次の地図1を参照して、以下の(一)~(三)に答えなさい。
(一) 地図上の鉄道①の名称を書きなさい。
(二) 地図上の鉄道②の一九一〇年時点の名称を書きなさい。
(三) 一八九五年~一九三一年の東アジアにおける列強の進出について、地図上の鉄道①および鉄道②の敷設権獲得や利権移転に関連させて述べなさい(二五〇字程度)。
Ⅲ 前近代世界において、宗教は支配体制を支える重要な柱であった。君主による宗教的立場の選択と宗教政策には、個人の信仰を超えた政治的背景が存在した。このことに関して次の問いに答えなさい。
問一
こうした視点から、フランク王クローヴィス一世の行動とその背景について説明しなさい。年代も可能な限り付記しなさい(一五〇字程度)。
問二
同じくこうした視点から、フランス王アンリ四世の行動とその背景について説明しなさい。年代も可能な限り付記しなさい(一五〇字程度)。
Ⅳ 最近注目されている世界史の見方の一つに、「海から見た歴史」がある。紀元一〇〇〇年以降の世界史において、対外貿易を通じて経済的に繁栄した都市の名を二つあげて、その二つ共通する繁栄の諸要因を説明しなさい(二〇〇字程度)。